Sideline Interview001:Eigtmedia Shino氏(前編)

2019.01.21
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パラレルワーカーShinoさんの「リストラ、ラッキー」な転機&徹底、時間節約術

 

Podcast配信型Webメディア「Key Question」の運営の他、フリーのPRパーソンとしても活躍中のShinoさんは、いわゆる2つの仕事を並行して行うパラレルワーカーだ。「仕事もできて、家事・育児の完璧な女性なんていない」という彼女。運営しているメディアの今後から家族への思い、便利なツールに至るまで、さまざまなことを語ってくれた。

Shino氏のプロフィール

外資系企業に勤務していたが、度重なる希望退職勧告を機に、退職。その後、紆余曲折があり現在はフリーのPR、Podcast配信型Webメディア「Key Question」の運営を行う、パラレルワーカー。1児の母。
・「Key Question」:https://keyquestion.jp/
・インスタグラム「Key Question」:https://www.instagram.com/key_question?

「私」がパラレルワーカーになった理由、「リストラ、ラッキー」とは?

夏野:Shinoさんは、なぜパラレルワーカーになったのでしょう。

Shino氏:
まず大きなキーワードが、リストラですね。

 

夏野:え?

Shino氏:
以前は、ホクホクのOLとしてPRの仕事をやっていました。多くもないけど少なくもないお給料をいただいて、外資系の企業で残業もほぼなく、そしてやりがいもあり、素晴らしいメンバーと共に。OLとしては、かなりバランスの取れた恵まれた環境で働いていました。

ただですね、外資系の企業なので不安定な体制がありまして。
入社して6年ちょっとで辞めたんですけど、その間に3回、希望退職者を募る「リストラ」がありました。
「別のことにもチャレンジしてみたいな」という気持ちもうっすら芽生え始め、しかし年齢的に30歳くらいだったので、その当時予定はなかったのですが、「結婚とか出産とか考えると今のタイミングで下手に動いちゃって万が一運命の人と出会って、1年以内に結婚して子どもができたら、産休とか育休とか取れなかったら困るし、行った先でいじわるなお姉さんとかいたら一から人間関係築くのも大変そうだしな」と腰がどんどん重くなり、1・2回目の希望退職には名乗り出ませんでした。

入社してから6年目、ちょうど結婚を決めた頃にですね、3回目の希望退職の話が出たんです。
提示された退職金を見た時に、「このお金で何かできる」と思い、すぐに手を挙げました。

だから「リストララッキー、希望退職ラッキー!」このタイミングだからできた、という感じです。
その際にやりたいことを調べて準備しようとしてました。

 

夏野:「やりたいこと」とは?

Shino氏:
今やっていることとは全然違うことなんです。昔から映画や海外ドラマが大好きだったので、その分野にチャレンジしようと考えていました。

そのために会社を起こそうと思い、いろいろと税理士さんと詰めている時にですね、今度は妊娠が発覚しまして。ちょっと会社設立とかやっている場合じゃない、という話になり。そこから、つわりの時期に入ったので、何もできなくなってしまったんです。このタイミングでの起業は、現実的ではなくなりました。

その後を変える、前職時代のつながり

夏野:起業できない状態の時、どう感じていましたか。

Shino氏:
3カ月間は生まれてはじめて働かない、何もしない状態で家にいました。
起業できなかった悔しさと、この先どうなっちゃうんだろうという不安。もう会社は辞めてしまったし、収入の不安もあるし。とはいえこのタイミングでの起業は、現実的ではない。けっこう打ちひしがれていました。

すると、つわりもなくなり、安定期に入った本当に素晴らしいタイミングで、前の会社の時にお付き合いのあった取引先の方から「辞めたんだって? こういうPRの仕事を手伝ってもらえないか」と、連絡をいただいたんです。

ただ状況が状況です。それまでみたいに体の自由がきかないので、電話やメールでサポートできることがあれば、とご了承いただきました。

本当に小さいところから始めて。最初はフリーランスとも名乗っておらず、ただ家でできることをお手伝いしていました。そういうちょこちょことしたご相談を、噂を聞きつけた今までのお付き合いのあった方から、結構いただくようになりました。

自分たちの社員の時間を使うほどではないけれど、手間のかかる仕事や知識がないから教えてほしいとか。そういう需要がどんどん増えてきました。

そのうち、確定申告をしないといけない金額に近づいてきたので、名刺を作り、フリーランスのPRと名乗り始め、という流れでフリーランスになりました。

もう一つの仕事、Webメディア「Key Question」運営への想い

夏野:フリーランスのPRとして、やられていながら、「Key Question」を立ち上げた理由は何ですか。

Shino氏:
いろんな生き様の女の人が最近増えてきて。クリエイティブの仕事だったり海外に飛んで活躍されていたり。ただ単純に企業に勤めることや家庭に入ることだけが女性の生き方ではない。

結婚も離婚も子どもがいるいないも。いろんな生き方があって、いろんな価値観があって何が正しいかとかはない。だから、30歳までに結婚しなきゃいけないとか、35歳までに産まないととか、そういう古い世代からの常識から解き放たれようよ、というコンセプトでいろんな生き方をしている人たちをインタビューして、生き様ファイルみたいなものを作っています。

 

夏野:でも、なぜやり始めたのでしょう。

Shino氏:
なんとなく未練があったわけですよ。あの時に、もし子どもを妊娠していなかったら今頃どうなってたんだろうという、何か自分で始めようとしたのが不完全燃焼のままだったので、子どもを預けることができたらチャレンジしようと思っていて。

ただ保育園問題とか今社会問題になっているような壁に直面して、ようやく子どもが1歳半になる2018年の4月に入園できるようになりました。保育園に入れるって決まった瞬間に「さあ、何をやろう」って。

 

夏野:実はやりたくて仕方がなかったんですね。

Shino氏:
そうですね。基本的に止まっていられない人なので(笑)。
以前、起業のアイデアが生まれた時は、子どもがいなかった。でも今は子どもがいるという状態で、まったく状況が違い、いろいろ見えてくる世界や価値観の違いも生まれてきて。映画云々というのはあんまり現実的じゃないな、って思ったんですよ。

じゃあ何やろうかなと思った時に、私が起業してまで、なぜ映画や海外ドラマ関係の事業をやりたいと思ったのかを考えたんです。根本の火種は何かと考えると、映画や海外ドラマの登場人物たちの生きざまやライフスタイルは、それが架空だと分かっていても見る人のインスピレーションに直結する。自分のなりたい像をその登場人物たちに投影して刺激される人って多いと思ったんです。特に女性は。
そこからもっと深く考えていって行き着いたのが「女の人のロールモデルがいないんだ」という答えでした。

自分がなりたい像は何なのかを探している人たちは多い。自分にできることって何だろう、そして何が世の中に足りていないんだろうと思った時に気付いたんです。

 

夏野:それはどういう意味で、ですか?

Shino氏:
これっていう生き様を示してくれる、背中を見せてくれる先輩が分からないのかも、と思ったんです。芸能人はイメージだし、女社長とか出てきても身近じゃないし。ああなりたい、とはちょっと違う。すごいねぇ、で終わってしまうんです。

でも、もっと周りを見渡して、この人本当にステキだな、この人のこういうところを真似したいな。と思う相手は、意外と身近な上司だったり、誰かのお母さんだったり、目立たないところにいるかもと思い始めて。だったら本当の意味でイキイキとした生き方をしている人たちの人生を聞く。人生みんな紆余曲折あるじゃないですか。

仕事がら、インスタグラマーの子たちと会うんですけど、みんな本音が出てくるわけです。「こんなの食べるためにやってるだけっすよ」みたいな。

 

夏野:好きでやっているとばかり!

Shino氏:
そういう子も中にはいるかもしれません。でも本音を言えばね、これしかできないからやってるけど、本当は明日にでも辞めたい。という本音があったりして、おもしろいなって思ったんです。本音を聞けたら結構ほっとする人や安心する人もいる。

 

夏野:そうですね。ずっとキラキラしすぎてる方は、ちょっと不安になります。

Shino氏:
みんないろいろ傷ついたり大変な時期があったりするということを、赤裸々に出していった方が本当の意味でみんなの背中を押すことにつながるはず。
でも、それをやるためにはYouTubeとかインスタだと顔が出ちゃうからみんな良いことしか言わない。

だから、Podcastなんです。
Podcastでは音声だけ

匿名でも出られる番組なので、匿名性が高い。ゆえにぶっちゃけ話がしやすいんですよ。ぶっちゃけ話ってみんなあまりしないから、そういう場を作りたいなと思ってPodcastをやり始めました。
赤裸々でリアルな話を聞いていくうちに、この人もこういう悩みがあって、ああいう局面で、あんなふうに考えたんだとか、自分と重ね合わせて考えられることって、あるんじゃないかなと思いながらやっています。

思いがけず訪れるターニングポイントは、ふとした会話からだったりする

Shino氏:
人の背中を押すと言うか、思いがけず人生のターニングポイントになることって、ふだんの会話の中で相手がふと言った言葉ということがあります。

夏野:何年も覚えていたりしますよね。

Shino氏:
そうそう、そういうのが起きると良いなと。会話の中で誰がどこに引っかかるか分からないですが、その人の生の声で話してもらうと、何かの言葉で考えさせられる人が一人でもいてくれれば嬉しいなと思いながらやっています。

 

夏野:そのうち商業的なものにつなげようという狙いはありますか?

Shino氏:
今それを考えていて、去年の8月にPodcastをスタートさせて、最初はお金が出るだけですね。そのため、まずは週に1回の配信を、まず1年間はリズムを掴むという感じで続けるつもりです。1年後に1円でもいいので「Key Question」というプラットフォームで売上を上げるイメージ。その売上をどういう風にあげるかというのは模索中です。

軸は1つではない

夏野:「Shinoさんは何をしている方ですか」と聞かれたら何と答えますか?

Shino氏:
それがすごく難しくて。よくWEBのアンケートに登録する時に、あなたの業種・職種は何ですか? とか聞かれるじゃないですか。いつもあの画面で指が止まります。

多分、私のように困っている人はいっぱいいると思います。今は、それくらいみんなこれっていうものじゃなく「これもこれもこれも」ができる時代になってきているので。

 

夏野:なるほど。私は勝手に、自分の中心はこれで、そこから派生してもう1つの仕事をしているイメージと思ったのですが。そうじゃなくて両方ともに軸があるんですね。

Shino氏:
そうですね。PRのお仕事で稼いだお金を「Key Question」に投資して、育てていきたいというフェーズなので、軸というと別々かもしれないですね。PRとコンテンツクリエイター。

 

夏野:今の話からすると、普通の人は多分「軸はPR」と答えると思います。お金を稼いでいるのはPRなので。でもShinoさんは、違う。そこに本気度を感じます。

Shino氏:
そうですね、違いますね。PRのお仕事も大切ですが、「Key Question」は、私にとってとても大事なメディアです。人に届けることで、その方の背中を押すきっかになるかもしれません。だからこそ丁寧に育てていきたいなという気持ちが強いですね。

 

 

 

【後編へつづく】
後編では、パラレルワーカーとして働くための時間管理術や、便利なツールまでいろいろお話を伺っています。どうぞご期待ください。

 

<参考リンク>

40代からの起業は副業から興すべき理由

「複業」って副業と違うの?

副業を始める時に重要な4つのポイント

姉妹メディア『The Turning Point』より
TP Interview 005:株式会社家’s 代表取締役社長 伊藤昌徳(前編)~脱サラ後、手探りで地方起業に走り出し、地方創生のビジネスモデルを確立した経緯に迫る~

TP Interview 002:日替わりBar Tonzura オーナー 櫻井謙充(前編)~会社員生活を辞めて独立へ。自由を掴むための起業とは?~

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