2019.02.25

インタビュー

THE Sideline Interview002:メディアプロデューサー 佐藤潤氏(前編)

 

これまでのポートフォリオの数が、今の自分を築き上げる

 

29歳を機に自身の働き方をフリーランスへと転向し、現在はメディアやプロダクト、事業に至るまでのグロースを手掛ける佐藤氏。
1人の会社員として働いていた環境から、現在ではフリーランスとして自身の価値を確立させてきた歩みに迫る。



プロフィール

新卒から8年間、当時興味のあったアパレル業界にて店舗販売~MD(マーチャンダイザー)、バイヤーの領域でキャリアを歩み、29歳での離職を機に個人で 仕事を請け負う。その後も数々のメディアやプロダクトの新規立ち上げやブランディングを行いつつ自身のスキルセットを磨き、今では株式会社gojuon CMO、My Alarm株式会社CCO、株式会社エイトCCOとして幅広い分野で事業の立ち上げに携わっている。



これまでの軌跡

インタビュアー:今までの歩みを教えてください

佐藤氏:
元々はアパレルの店舗スタッフとしてキャリアを始め、アパレル、小売業界の数社で営業やバイヤー、MDとしてのお仕事をしていました。
単純に業界や、業務の内容が好きだったのでその業界に属していました。
その後、29歳の離職を機に漠然と、個人として働くことに興味が芽生えたんです。

 

インタビュアー:当時個人として働くことに興味を持ったきっかけは何だったんですか?

佐藤氏:
29歳の時に会社都合で職を離れることになったんですが、当時転職活動を行った際に、自分のスキルや年齢が合わず、スクリーニングで落ちてばかりでした。
バイヤーやMDとして働くことが好きだったのでその求人を探しても、20代でやらせてくれる会社が無かったんです。大体条件のところで35歳以上とか、業界経験5年とか当時の僕が募集要件に満たない求人ばかりでした。

そんな中で、僕の知人の中にIT領域で個人として活動している人達がいたので、その働き方に少し興味が芽生えました。

 

インタビュアー:当時は選択肢が十分に持てなかったんですね。一番最初はどんな流れでフリーでの仕事に就いたんですか?

佐藤氏:
最初は知人から、(Zippo的な)ライターを製造している会社を紹介してもらった流れでした。マーケターを探しているとのことで。100年くらい続いている老舗の会社だったんですけど、3代目の社長さんが新しくて面白いことに取り組もうとしていた状況だったので、面白さを感じてジョインすることを決めました。

 

インタビュアー:その新しさを求めていく環境に魅力を感じたんですね。

佐藤氏:
はい。
ジョインしてからは、新しくて面白い取り組みとしてYOUTUBEを使ったプロモーションを行ってみました。ちょうど、2012年はYOUTUBER元年の年でヒカキンさんとかが出始めた年だったということもありまして。
その時さっそくプロモーションとしてヒカキンさんに協力いただきました。

 

インタビュアー:前職からプロモーションの感覚を意識されていたんですか?

佐藤氏:
いや、そういった経験はありませんでした。
会社員時代に年に数回、価格ダウンの商品選定をしてチラシの中身を決めていくような取り組みをしていたことはありましたが、プロモーションの感覚とは違っていました。

 

インタビュアー:自分のできること以外の範囲で、個人で仕事を受けるってすごいですね。普通だったらできることベースで考えてしまいそうなところですが・・・

佐藤氏:
分かります。自分でリミッター付けちゃうんですよね。
でも、自分のリミッターを壊していくことが個人事業主のやっていくべきことじゃないかなと考えています。

インタビュアー:最初からその感覚を持って個人で活動されていたんですか?

佐藤氏:
当時はそういう訳ではなかったんですが、僕の場合だと自分の興味度合いで仕事に携わる意思決定をしていたので、それで踏ん切りをつけていました。

とはいえ、MD・マーケターの案件など今までの自分が活かせる案件を獲得する意識もありましたが。
培った経験の中でイメージのしやすい分野だったので、そこでなら成果が出せるだろうという考えです。

 

インタビュアー:ちなみに佐藤さんの興味を持つ琴線ってどんなことなのでしょうか?

佐藤氏:
新しいことを始めていくフェーズに魅力を感じますね。
メディアでもサービスでも。いまでは事業の始まりまで見れるようになりました。

 

インタビュアー:でも最初だといくらやりたい内容でも“これ出来ます”って言い難いところもありますよね・・そこはどうですか?

佐藤氏:
言った者勝ちですね!(笑)
人にも依るとは思うのですが、”やりたい”とか”興味がある”分野に対して、本当に気持ちが入っていれば自分から足りないことを補う取り組みをしますよね。

 

インタビュアー:なるほど(笑)



自分自身のポートフォリオをつくる

インタビュアー:フリーランスになった時から今までを振り返ると、現在のご自身の価値を逆算して行動していたんですか?マーケターベースで、事業全般で幅広い価値を提供するというような。

佐藤氏:
そういったことは、あまり考えていませんでしたね。
ただ、意識していたのは”どれだけ僕自身のポートフォリオを掲げられるか”ということでした。
強いて言えば、今振り返ればですが自分のポートフォリオの数をKPIとしてかなり意識してきたような気もします。

 

インタビュアー:ポートフォリオというのはどんなものですか?

佐藤氏:
携わるプロダクトとその成果ですね。メディア一つ、サービス一つを立ち上げれば自分の関わったポートフォリオとして掲げられるじゃないですか。
そういう明確なものが見えるようになってから、メディアの立ち上げや、ブランディングの話が入ってくるようになってきました。

 

インタビュアー:そうやって一つ一つの積み重ねることが、ご自身の価値を着実に上げていくんですね。

佐藤氏:
あとは、一つのクライアントを考えても個人との業務委託契約になるので、例えば3か月の契約更新の際に業務の内容に幅が出て、成果を出せる範囲が増えてくることもあります。

 

インタビュアー:フリーランスとして事業に携わる中で、人というのは大事ですか?

佐藤氏:
はい。人というよりもどんな環境か、ということが大切だと感じています。
僕の場合は先ほども話したように、新しい取り組みをしていくタイミングに魅力を感じるので、新規立ち上げのメディアやプロダクトに携わるときには特にスピード感を重視します。なので、意思決定が早くできる人がいたり、そういう環境であることって結構大切です。

 

インタビュアー:なるほど。ご自身の働くスタイルを考えると、一緒に働く人や環境はすごい大事なことですね。
とはいえ、色んな環境に身を置く中で周囲に気を遣うことも大切じゃないですか?

佐藤氏:
セルフブランディングですよね。そこに関しては、全く意識したことはないです。
自分自身が会社の政治に巻き込まれることはないので、外からの目を気にすることはないですし。僕は僕の受けた業務に結果を出すことを大切にしているので。フリーランスという立場上、そういった振舞い方はし易いような気もしています。

今となっては、フリーランスとして会社に携わっていますが立派な肩書ももらえたので、さらに立ち回りしやすくなりましたね。

 

インタビュアー:羨ましいです。フリーランスとしてもCXOとして活躍できるなんて憧れます。



フリーランスの契約

インタビュアー:これまでの歩みの中でご自身の中で変化したものはありましたか?

佐藤氏:
その時は仕事を取りに行くものだったのが、入ってくるようになりました。
あとは、一つ一つのオーダーが大雑把になったなと感じています。二文節で『Eコマースがしたいです』みたいな(笑)
なので、その言葉を紐解いていくというのはとてもやりがいになっていますね!

 

インタビュアー:フリーランスになったばかりの当時の契約はどうだったんですか?

佐藤氏:
当時だと、Eコマース担当としてブランド開拓することが多かったですね。
企画的なグロースというよりも、営業して仕入れ先を増やすような取り組みです。なので、3か月ブランドを開拓し続けるようなちょっと気合いのいるような案件をやっていました。

 

インタビュアー:最初から案件ってとれるものなんですか?

佐藤氏:
取れましたね。営業活動はほぼウォンテッドリーでこっちからアプライして話を聞くような取り組みでした。
仕事はたくさんあると感じていました。

 

インタビュアー:営業活動以外に案件獲得に紐づく取り組みはありましたか?

佐藤氏:
案件に携わっている中で、関係者から新たに別の仕事依頼を受けました。
個人で働いていたとしても、周囲のクライアントもそうですが関係者からは見えているので、シンプルですが目の前のことをしっかりやるというのが大切ですね。

 

インタビュアー:個人として成果を出せば周りの見ている人たちも良い印象を受けますもんね

佐藤氏:
そうですね、一方で失敗すれば焼け野原になる可能性もあるとは思いますけどね(笑)

 

インタビュアー:そうだったんですね。成果を重ねていくコツなどはありますか?

佐藤氏:
0→1はブルーオーシャンだと思っています。
つまり成功を掴むチャンスがあるということです。
結局、0から立ち上げるときは責任が大きいので、肌感ですがあまりやりたがる人がいないような気がしているんです。事業をしていく上で責任の所在というのは避けられないポイントだと思いますし。
失敗の責任はありますけど、逆に言うとファーストペンギンとしての成果を得ることもできますからね。

 

インタビュアー:0から作り上げるフェーズの業務を請け負うことで、自分自身の大きなポートフォリオを作れるということですか?

佐藤氏:
はい。良いチャンスになると考えています。

 

 

フリーランスとして自身の人生を歩み始めた佐藤氏が、現在に至る大きな価値提供ができるようになった経緯。
それは、自身の”やりがい”と真摯に向き合い、目の前のことに試行錯誤してやり切り、一つ一つを自分自身のポートフォリオとして確立した実績だった。
後半では、佐藤氏がフリーランスとして成果を出し続けるコツやマインドセットについて迫る。

 



<参考リンク>

Sideline Interview001:Eigtmedia Shino氏(前編)~フリーランスとして独自メディア・PRコンサル・専業主婦を行うパラレルライフの紹介~

フリーランスを副業で始めたい!そのために必要な内容について

姉妹メディア『The Turning Point』より

TP Interview 002:日替わりBar Tonzura オーナー 櫻井謙充(前編)~会社員生活を辞めて独立へ。自由を掴むための起業とは?~

TP Interview 006:SecreT ART タルトアーティスト 山崎照氏(前編)~一歩レールを踏み外せば、今までにない景色が見えてくる。~


preview

PREV

副業人口の増加と今後の副業とは

BACK TO LIST

NEXT

next

THE Sideline Interview002:メディアプロデューサー 佐藤潤氏(後編)