2019.05.20

インタビュー

“ごきげんちゃん”が生まれて楽になれた「あげまん理論」

 

さげまんに悩む女性へ「あげまん理論」を届けたい。

 

事なかれ主義で、人目を気にしすぎて動けない。それでいて「怒り」という感情を忘れ、生きづらさを感じる。元OLの金子氏は、そういう女性だった。しかし彼女の中の「ごきげんちゃん」と出会い人生はあたたかな方向へと向かう。今ではインストラクターとして人前に出て、人の人生に触れて生きている。彼女はどうして変われたのか、伝えたい思いとは何か。生きづらさを感じている人に届けたい、彼女の思いに触れる。



プロフィール

生命保険会社で事務員として9年間勤務。心理カウンセラーを目指し資格を取得。現在は「あげまん理論」の認定インストラクターとなりセミナーやイベントなどを開催している。心理カウンセラー、認知行動療法士、メンタルトレーナーなどの資格保持者。


「あげまん理論」のインストラクターになった理由

――「あげまん理論」のインストラクターをやられているそうですね。「あげまん理論」とは、どのようなものでしょうか。

ごきげんちゃん:
あげまん理論は、パートナーとの信頼を高めて、共に成長していくためのパートナーシップを伝えている理論です。
世界の優秀な男性は「隣にいる女性」が作っているということに気づいたところから中村あきらさんという方がいろんな学問やパートナーシップの事例を研究して作り上げたものなんです。

――「あげまん理論」に興味を持ったきっかけは?

ごきげんちゃん:
最初はネット広告であげまん理論のことを知って、確かちょうど3日後くらいにセミナーがあったので、なんか面白そうだから行ってみようくらいの軽い感じで行きました。
そしたらインストラクター募集のお知らせがあって。本当はその頃、心理カウンセラーになろうと思っていて、学校で資格を取得して会社を辞めた頃でした。でも、まだ心理カウンセラーとしても漠然としている部分があって。あげまん理論のインストラクターなら自分の経験も生かせるし、面白い、やってみたいかもって思ったんです。

――もともと、そのようなことに興味があったのですか?

ごきげんちゃん:
学生の頃から、心理学が好きだったんです。ただ臨床心理士などの資格を持たないと就職が難しいと、勝手に思い込んで諦めていました。それで特にやりたいこともよく分からないまま就職しなきゃと周りに流されるように就職したのがたまたま生命保険会社の事務でした。

そんな感じだったから仕事も嫌で嫌でずっと辞めたくて。でも辞める勇気もなくズルズルと9年ぐらい勤めていました。



世の中起きることって全部鏡なんですよね

――9年間お仕事されて、辞めるのに勇気がいったのでは?

ごきげんちゃん:
そうですね。実は私バツイチなんです。退職と離婚の理由は直接関係ないのですが、仕事を続けるのも限界になっていた頃に離婚の話にもなって。この際全部人生丸ごと変えてやるー!ってようやく覚悟ができたというか、やけくそというか(笑)そんな感じでしたね。どちらもずっと我慢してしまっていたので。

――離婚された理由とかって訊いてもいいですか?

ごきげんちゃん:
相手の女性関係が表向きな理由です。だけど、本当の本当はお互い様なんだなって気付いたんですよね。
結局、当時の私のさげまん行動がめちゃくちゃ多かったことが、あげまん理論を学んで分かって(笑)。衝撃でしたね。完全に良かれと思ってやっていたことが全部男性にとって裏目裏目に出ていたようで。

――そういうところ気になります。

ごきげんちゃん:
世の中起きることは、すべて鏡なんですよね。人と人も鏡なので、何かされたことは結局、自分が出しているからそれが返ってきている。何かされて嫌だったなら、そうさせた理由が自分にあるから、そういう現象として起きているわけなんです。

――すべて自分のせいだと思うと、逆にしょぼんとしてしまう気が……。

ごきげんちゃん:
そんなことなくて。でも最初、離婚したばかりの頃は「私の人生どうしてくれるの?」「私はこんなにいい奥さんやっていたのに」とめちゃくちゃおもっていました。でも、ずっとその被害者意識でいて、そうなった本当の原因を解消できずにいたら、いつまで経っても幸せにはなれない。次、別の男性と出会ったとしても同じことを繰り返す。何ならそれがトラウマとなって余計こじらせることが起きる。

なんとなくそうゆうことだけは過去の経験から理解し始めていたので、これはどうにかしなきゃと思い、最初は自分が変わりたい一心であげまん理論を学び始めました。

――やってみて自分も変わったし、これは他の人も変われるのではと思ったわけですね。

ごきげんちゃん:
そうなんですよ。周りを見ても過去の私と似ていたり、いつも同じようなことで悩んでいる子がいっぱいいるから。もっとみんなに教えてあげられたらみんな幸せになれるじゃん!伝えたい!って。それでインストラクターになったという感じです。
過去の私のようにさげまんをしてしまっている人たちを救いたいですね。



「さげまん」とは?

――どんな点がさげまんポイントなんですか?

ごきげんちゃん:
いっぱいありますよ。男性に「アドバイスをしちゃう」「まず否定しちゃう」とか。

――アドバイスしてはダメですか?

ごきげんちゃん:
男性はアドバイスをしては本当にダメなんですよ。その男性が大事な人であればあるほど「もっとこうしたら?」とか「えーそれで本当に上手くいくの?大丈夫?」みたいなことを言いがちではないですか。私めちゃくちゃ言っていて。でもそれをしてしまうと男性って動けなくなっちゃう。自分の中で決めた答えでしか男性って動かないんですよね。

――ああ、それはある気がします。

ごきげんちゃん:
だから「えっ大丈夫なの?」って思っても、まずは「いいんじゃない、やってみたら」と言って一歩進ませてあげることが大切なんです。それが失敗だったとしても男性は失敗した先で「じゃあ次はどうしようか」と次の一手を考えて、またやってみて、そうやってどんどん成長していくわけです。それでしか成長できないというか。

それなら女性がアドバイスをしても自分の考えた方を貫き通して動くのかと思いきや、結局どちらにも動かないんです。現状のところで留まるみたいな。

――動けばいいのに(笑)。

ごきげんちゃん:
動かなければ失敗もしないし、成功もしない。だから成長しない。サゲメンが出来上がるみたいな。そうゆう男女の脳の仕組みの違いとか、求めている心理の違いとか、たくさんあって知れば知るほどすごく奥が深いんですよ。
私自身がもっと早く知っていればって思うことがたくさんあったから多くの人に伝えたいっていうのがやっぱりありますね。



なぜ「ごきげんちゃん」なのか?

――そもそも、なぜご自身を「ごきげんちゃん」と呼んでいるのでしょう?

ごきげんちゃん:
OLをやっていた頃は自分のやりたいことが分かっていませんでした。特別な才能も人より得意なことも特にないし、って感じで。本当の自分がどうゆう人間なのか、分からなさ過ぎて。やりたいことなんてもっと分からない。ホント人生迷子状態でしたね(笑)。

インストラクター講座では、自分自身を深堀りしていって「自分はどうしたいの?」と自問自答していって自分の在り方を決めていくってことをするんです。

その中でだんだん本当の自分の姿が見えてきて、そしたら実は結構好きだったこととかやりたいことも見えてきて変わっていったんです。

私もともとSNSも全然できなかったし、人前なんて苦手どころか恐怖だったんですよね。

――見えないですね。

ごきげんちゃん:
今は結構そう言われるんですけど、当時の私を見たら本当に「え!?」ってなると思います。(笑)なんというか、無難に、人目を気にしすぎて動けなかったんです。数人の前で自己紹介するだけでも心臓バクバクしてましたから。

――受け止めてしまうためでしょうか? 受け入れちゃうというか。

ごきげんちゃん:
我慢しちゃうんです。今思うと当時は本当に生きづらかったんですよ。でも自分と向き合っていく中で「あー私、本当はこう思ってたんだ。こうしたかったんだ」みたいなことにたくさん気付いて。
恐怖とまで思っていた人前とかも小さい頃の体験から怖い、できないと強い思い込みを作っていただけで。実は意外と嫌いじゃないのかも、みたいになって実際に一度やってみたら、まさかの楽しいと思っている自分がいて(笑)。それでも最初はあまりの緊張に倒れるかと思いましたけどね(笑)。

そんな感じで思い込み、ブロックを外していく作業をしたことで奥底に眠っていた本当の自分が出てきた感じです。

――それが「ごきげんちゃん」ですか?

ごきげんちゃん:
そう。私「ごきげんちゃん」じゃんと気づいて(笑)。

女性の悩みの多くは自己肯定感が低いことがそもそもの原因なんです。自己肯定感が低いから他人からの評価を求める、人目ばかり気にしてしまう。それをしているとだんだん自分がなくなる、自分の気持ちも分からないってなって、結果としてパートナーシップも仕事も上手くいかないに繋がっているんですよね。

ですが自分で自分を認められるようになると、人目が気にならなくなります。そうなったら本当に楽なんですよ。今まで何をそんなに我慢して苦しんでいたんだろうと。自然と誇れるようになったり、人からの言われたことに対して傷つかなくなったりしてくるんです。

――自分の中を深掘りしていったら、本当の自分に気づかれたわけですね。

ごきげんちゃん:
昔から心理に興味があったもの、そういう自分をどうにかしたいというのがあったんですよね。潜在意識でヒントを探していたわけです。あげまん理論にたどり着いたのも友人関係や夫婦関係でずっと悩みを持っていて、どうにかしたいというのがあったから引き寄せたんだなって思いますね。

ごきげんちゃんの「ごきげん」な集客方法

――今はインストラクターとして、どのようなことをされているのでしょう。

ごきげんちゃん:
2018年12月に初めてセミナーをやって、今年の2月にも開催しました。最初は知り合いの人がほとんどでした。

2月は人数も増えてきてだんだんセミナーっぽくなってきました。1回のセミナーであげまん理論の全ては到底伝えきれないので、内容もテーマに合わせて構成を考えて作っています。

――大変そうです。

ごきげんちゃん:
すごく楽しいですよ!

――これまでの集客はどのようにやられましたか?

ごきげんちゃん:
12月は口コミですね。直接友達に呼び掛けていきました。2月はInstagramやFacebook、などでも呼び掛けてみたところ、初めて直接の知り合いではない方に来ていただきました。すごく嬉しかったですね。

――嬉しいですね。そのためにどのような工夫をされましたか?

ごきげんちゃん:
そうですね。工夫と言うのかわかりませんが、自分の考え方を変えました。

――変えたとはどういう意味でしょう?

ごきげんちゃん:
最初は知名度ゼロですから集めるとなったら友達や知り合いの方からとなります。あと上手くできなかったらどうしようという不安から知り合いではない方、本当の意味でのお客様に来てもらうのがちょっと怖いという気持ちもあったりして。
恋愛系の話なら友達みんなきっと興味はあるはずで来てくれると期待していたのですが、悪気はなくても意外と友達は来てくれないことが分かりました(笑)。

――なるほど(笑)。

ごきげんちゃん:
でもそこで凹んでいると動きが鈍ります。それを1回目で学んで、2回目はInstagramやジモティにも載せるようにもなりました。

――ジモティも活用されたんですね。

ごきげんちゃん:
はい。少しずつですが苦手だったネットも駆使し始めました。まだまだ詳しくないので勉強中ですが。

――この人に来てもらいたいなって思ったら、直接声かけはされますか。

ごきげんちゃん:
していましたね。その子にとって必要そうだなと思ったらかけます。前はとにかく人を集めたいから誰でもいいから来てくれないかなって感じで全員に声をかけていました。でも、いくら友達と言えど、ニーズや興味がなければやっぱり来ないですよね。ちょっと考えれば当然と言えば当然なんですけど。

――では基本的に集客はSNSがメイン。

はい、今はそれでやっています。その方が本当に興味がある人に来てもらえるので、お互いのニーズが合うかなと思います。
私だって誰でもいいわけじゃない、やっぱり必要としている人に届けたいなって思ったら凹むこともなくなったし、気持ちもいいし、断然楽しくなりましたね。

――ではセミナーがメインというイメージですか?

ごきげんちゃん:
セミナーだけではなくいろいろ楽しいイベントをやっていきたいなって思っています。今度、「セミナー×合コン×お花見」を企画しています。(取材当時)

――何それ! セミナー×合コン×お花見なんて、楽しそうです。

ごきげんちゃん:
お花見合コンパーティーの前に女性だけのセミナーがあるんです。女性は「あげまん」で男性を「アゲメン」って言ってるんですけど、セミナーでは、あげまん女性のマインドや男性の求めている心理など、出会いの前に知っておくといいなという内容に絞ってお伝えしようと思っています。

――だから単なる合コンではないのですね。

ごきげんちゃん:
そうそう。まずお勉強して、その直後にそれを活かす出会いの場を用意しちゃおうというわけです。

――勉強した後にテストやるみたいな(笑)。

ごきげんちゃん:
そう、すぐ実践しちゃう(笑)。

――すごいカップル率高そうです。

ごきげんちゃん:
彼氏彼女が欲しい、なかなかできなくて自信が持てなくなっているというような人もいると思うので、そういう人達にちょっといつもと違う出会いを提供できて楽しんでもらえたら嬉しいですね。

――この企画はご自身が考えられたのですか?

ごきげんちゃん:
私が考えました。お花見や桜が大好き過ぎて仕事にしちゃいました(笑)。

――最初はどこから発想したのでしょう。

ごきげんちゃん:
最初は2回目のセミナー後、お客さんとの懇親会で、です。お客さんからアフタヌーンパーティーみたいなものをやってほしいと言われたんです。セミナーをやってホテルのちょっと小洒落たラウンジみたいなところで(男性と一緒に)お茶会みたいなのをしてもらえると嬉しいと。

――それも優雅ですてきです。

ごきげんちゃん:
でもピンとくる会場が見当たらなくてどうしようかなって思っている時に、その頃TVで桜前線のニュースをよくやっていて、通勤時に日本橋のさくら通りの桜を見るのが唯一の楽しみだったなぁって思い出していたら、いつも気になっていたけど結局一度も行けていないレストランがあったことを思い出したんです。2階にあって桜が窓一面に見えてすごくオシャレなんですよ。

日本橋なら近くに会議室もたくさんあるし、オシャレでお花見もできて雨でも心配ないしってパズルのピースがどんどんハマっていって、これはもうやるしかない!ってなりましたね。

――絶対楽しいですよね。

ごきげんちゃん:
私もう楽しみでしょうがないんですよ(笑)。そこはすごくいいお店ですし。ちなみに料金は、女性は5000円、男性は6000円。ペアで来てくれたりしたら、500円引きみたいな設定にしています。多くの人に来てもらいたいので、ぜひ友だちと来ていただきたいですね。

――それも自分で考えられた?

ごきげんちゃん:
そうですね。でも料金設定は難しいです。とりあえず1回やってみて、どんどんブラッシュアップしていければいいなと思っています。お金のブロックが自分にあってもダメですし。

――ところで今後も「ごきげんちゃん」でいく予定ですか。

ごきげんちゃん:
はい!私はごきげんちゃんと言われたいから、「ごきげんちゃんです」と自己紹介していきたいですね。周りからそう言われると、自分でまたそれを認識し、ますますごきげんになっていく。絶対そういう効果があると思うんですよね。

――なるほど。それでブランディングしていくのですね。

ごきげんちゃん:
そのうち本名を言わなくなるかもしれません(笑)。ごきげんちゃんでいきたいなと思っていますから。

 

(続きは後編へ)
自分の本当の姿を「ごきげんちゃん」だと気づいた金子氏。後編では、今後の展開に迫ります。

 



<参考リンク>

Sideline Interview003:ママ界のエンターテイナー バブリーたまみ氏(前編)~ママ界のエンターテイナー「バブリーたまみ」に学ぶ、ポジティブ思考術~

Sideline Interview001:Eigtmedia Shino氏(前編)~フリーランスとして独自メディア・PRコンサル・専業主婦を行うパラレルライフの紹介~

【ママさん大募集】”ソーシャル場所探しプラットフォームMachiTag”より、タグライターの募集

 

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